宇宙系チャネラー ☆ルカ☆

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宇宙系チャネラー ☆ルカ☆

CATEGORY宇宙叙事詩

第一章 記憶の始まり14

「もともとこちらのサロンで退行催眠を受けたのは、さきほど皆さんが見たものと関連してます」 桂は年が開けてすぐの頃を思い出しながら話しはじめた。 そう…あれが始まったのは…天使を見、時間の感覚が狂いだしたのは正月に実家に帰省したときだった。 …

第一章 記憶の始まり13

 まばたきひとつ分の時間も経たないうちに、桂は目の前にいる裕美、新庄、篠崎の唖然とした表情を見た。何が起きたのかを把握するのにまた時間を要する。 「このひとたちはだれだっけ…なんでここにいるんだっけ…」心の中でつぶやきながら、意識を摺り合わ…

第一章 記憶の始まり12

 「やめてーーーーーーー!!!!!!」 桂は声にならない声をあげて叫んだ。 喉の奥で、自分の声がひりつくのがわかった。喉はからからに乾いて、声を出そうとしても声帯がまるでないかのように、ただ空気がもれるだけだった。 眩しい光が辺りを包み、桂…

第一章 記憶の始まり11

 「チャネリングができる方や、クリスタルヒーラーはこういったパワーストーンから情報を得ることができます」  篠崎が桂に補足説明をしてくれた。  「チャネリングっていうのはわかりますか?」 桂がレムリアンシードを知らなかったことで、篠崎は桂が…

第一章 記憶の始まり10

 スケッチブックの真ん中に「意識の変容」と書いてあり、丸で囲ってあった。 それを中心にたくさんの線が放射状に伸び、線の先にキーワードが書いてある。そしてそれらのキーワードから更に線が出てまたキーワードが続いていく。 「高木さんと初めてセッシ…

第一章 記憶の始まり9

 2時きっかりに桂は裕美のサロンに着いた。 今日も蒸し暑く、照り付けるような日差しの中、会社を午後休んできたのだ。 なかなか汗がひかず、裕美が用意してくれたアイスティーを一気に半分ほど飲んだ。 サロンに入ったとき、すでに裕美が桂に「会わせた…

第一章 記憶の始まり8

 毎日が飛ぶように過ぎていく。お盆休みを前に仕事も忙しくなっていた。 心療内科に行かなければ…と思いつつなかなか行けないのは、急がしさもさることながらどうしても気が乗らないからだ。 もし「こころの病気」と診断されたらどうしよう…桂は不安だっ…

第一章 記憶の始まり7

 気を失って意識が戻るとき、というのは、少しずつ現実の世界に帰ってくる感じがある。 音のない世界から、少しずつ音が聞こえだし、ぼやけていた意識の焦点がはっきりとしてくる…そんな感じだ。 だが、「あれ」の場合は突然世界が切り替わる。 前と後を…

第一章 記憶の始まり6

 桂が吸い寄せられたボトルは、上がターコイズ、下がピンクのコンビネーションだった。うっとりと眺めていると、時間を忘れてしまいそうだった。どうしてこの二色は混じらないで綺麗に分かれているのかしら?桂はさらにボトルを凝視した。どうやら、素材が違…

第一章 記憶の始まり5

 日曜日の午後、買い物帰りに近所を散歩していた桂は、住宅街の一角にカフェを見つけた。 シンプルだが温かみのある外観に惹かれ、ちょうどお茶も飲みたかったので入ってみることにした。 白い石が敷き詰められたアプローチは、両側に植えられたグリーンが…

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