宇宙系チャネラー ☆ルカ☆

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宇宙系チャネラー ☆ルカ☆

第一章 記憶の始まり5

 日曜日の午後、買い物帰りに近所を散歩していた桂は、住宅街の一角にカフェを見つけた。
シンプルだが温かみのある外観に惹かれ、ちょうどお茶も飲みたかったので入ってみることにした。
白い石が敷き詰められたアプローチは、両側に植えられたグリーンが映えて気持ちいい。白いドアを開けると桂と同い年くらいのエプロンをした女性が「いらっしゃいませ、お一人様ですか?」と聞いてきた。
「はい」と答えると「今、店内でワークショップをしているので、うるさいかもしれませんがいいですか?」と聞かれた。
「構わないですよ」
「では窓際のお席へどうぞ」
案内された席に座り、オーダーを済ますと桂は店内を見渡した。
お店の中はドライフラワーや手作りらしいアクセサリーなどがコーナーに置かれ、各テーブルにはバスケットに入ったやはり手作りらしい布製の小物などもある。
小さな本棚には、雑貨関連の雑誌などが置かれ、音楽もうるさくなく心地いいボリュームで、桂はほうっ、とリラックスした。
店の奥の方はテラスになっており、テラスにも何組かの客がいた。年配の男性が「店長さん…」と呼びかけ、さきほど桂を席に案内してくれた女性が急いでオーダーを取りに行っていた。
なんとなくアットホームな雰囲気に、桂はさらにリラックスした。
 テラスに面した席に六名ほどの女性が集まって話をしている。真ん中には二色のきれいな色がついたボトルが何本か置かれており、その色の美しさに桂は目を惹かれた。
透明感のある美しい色が、様々なコンビネーションで組み合わされている。濃い赤と濃い緑、ピンクと黄緑色、黄色とオレンジなどなど…。
同じ配色のボトルはなく、全部で6本…参加している女性の人数分あった。
きれいな色…あれはなんだろう?同じものがひとつもないんだわ…
店内をよく見てみると、奥の壁一面が戸棚になっており、その中にたくさんのボトルが置いてあった。何本分かのスペースはあったが、それはテーブルの上に置かれている6本の分なのだろう。
「ワークショップって、どんな内容をされているんですか?」オーダーしたハーブティーを運んできてくれた若いアルバイトらしい女性に、桂は聞いてみた。
「オーラソーマっていうカラーセラピーのワークショップなんですよ。私はよく知らないんですが、店長のお姉さんが講師をされてるんです」
へぇ、と桂は思った。
「オーラソーマってあまり聞いたことがないわね」
「そうですね〜、あ、でも芸能人でも何人かやってる人いるんですよ」
「そうなの?じゃあ人気があるのかしら」
「そうですね、詳しい話は良かったら、後で店長のおねえさんに聞いてみますか?」
「そうね〜、お願いしようかしら」
「わかりました」
アルバイトの女性はワークショップのグループのほうに行くと、講師とおぼしき女性に話していた。
桂はその女性と目が合い、少し会釈してほほえんだ。
講師の女性もほほえんで会釈を返し、「30分ほどで終わるので良かったら待っててくださいね」と言った。
待っている間、桂は壁に並んでいるボトルに目をやった。
どれもきれいな配色で透明感のある色だが、中には「ちょっとどぎついな…」と思う色の組合せもある。また、真っ黒に見えるボトルもあれば上下同じ色が入っているボトルもあり、見ているだけで飽きなかった。
やがて桂は、1本のボトルに目が吸い寄せられた。

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    • Misyu.
    • 2010年 6月 12日

    SECRET: 0
    PASS:
    オーラソーマ、きたっ☆
    次が待ち遠しい~

  1. SECRET: 0
    PASS:
    とうとう、桂ちゃん。
    そっちの世界へ導かれてくのかしら!

    しかも自然な形で
    自分で選択しちゃったね!!

    わくわく(*^.^*)

    • GO
    • 2010年 6月 12日

    SECRET: 0
    PASS:
    どのボトルに惹かれたんだろう??
    どきどき、わくわく♪

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