宇宙系チャネラー ☆ルカ☆

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第二章 白い翼5

狭い横道を入っていくと、生け垣に沿ってさらに細い道があった。
「ほんとにここ?」桂は不安になって聞いた。
「ここで合ってます、大丈夫ですよ」裕美は自信満々で答えた。
桂は黙って裕美の後をついていった。
細い道は民家を囲うようにぐるりとしており、桂と裕美は道に沿って歩いた。
民家をぐるりと回り込むと、その家の離れがあった。離れの入り口にドアはなく、土間があったので裕美はそこから中に声をかけた。
「こんにちは」
しかし誰も答えなかった。裕美はもう一度、少し大きめの声で「こんにちは」と声をかけた。
しばらくすると、奥のほうから
「どなたですか?」と声が聞こえた。
「2時に予約した高木と付き添いのものです」と裕美が答えた。
しばらくの沈黙の後、奥のほうから一人の男性が出てきた。
「ご予約の方ですね…どうもすみません、ちょっとチャットしていたものだから」
男性はそういうと、二人を「どうぞ」と、中へ招き入れた。
しんとした室内は空気もなんだかひんやりとして神聖な印象を受けた。
部屋の中には、ところどころろうそくがともり、それがなんだか暖かい印象を受ける。
男性は二人にソファを勧めると姿を消した。
白い猫が二人の足下にいつの間にか現れ、裕美が「かわいい!」と歓声をあげた。
「いやぁどうもすみません。チャットにはまると時間感覚がなくなってしまって」
男性はそういいながら室内に入ってきた。三人分のお茶を持っている。
「どうぞ、ハーブティーです」
「ありがとうございます」
桂はお茶を受け取ると、ゆっくりと口を付けた。
ルビー色のお茶はほんのりと甘酸っぱく、おいしかった。
「改めまして、「宙(かなた)のオーナーの、松木犀(さい)と言います」
「高木桂です、よろしくお願いします」
桂は差し出された名刺を受け取った。シンプルに、名前とサロン名、そして電話番号だけが書かれている。
「高木さんの付き添いの中川裕美です」と、裕美も名刺を松木に渡した。
「退行催眠をされているんですね、へぇ…サロンは銀座ですか。いいところですねぇ」
松木は裕美の名刺を見ながら言った。
「で、今日は付き添いなんですか?」
「はい。元々高木さんは私のクライアントさんなんですが…」
「ちょっと、色々事情がありまして…」桂が口を挟んだ。
「ま、宇宙系だったら僕に任せてください」
松木はにっこりと微笑んだ。
「世の中には色々な人がいます。目の前のことだけに夢中な方もいれば、地に足着かない人もたくさんいる」
松木は裕美の名刺をポケットにしまい、二人の正面にある1人がけソファに座りながら言った。
「自分が何ものであるのか、ということにまったく興味のない人もいるし、自分が何ものなのか、地球人で内ような気がする、という人も多い…」
松木は、茶目っ気のある笑いを目に浮かべながら桂を見た」
「宇宙ルーツ、ってのは確かにあるんですよ。僕はそういう方々のセッションをたくさんしてきましたし、実際宇宙人とも交流しています。ま、信じられないかもしれませんが…ね」
喋りながら、松木は様々なものをセットし始めた。
退行催眠で使うのだろうか?
裕美のサロンでは見た事がないものばかりで、裕美も物珍しそうにそれらのものを見ている。
「では、そろそろ始めましょうか」
松木が言った。
「え、もうですか?」裕美が言った。もう少し、クライアントとの距離を縮め、クライアントがリラックスできるようにしばしのおしゃべりなどをしてから催眠を施すのが彼女のやり方だったからだ。
松木の合理的なやり方は、裕美には少し受け入れがたいものがあった。
「始めますよ」松木は楽しそうに言った。
「だって、このかたはリラックスよりも何よりも、早く自分が何ものなのか、なんのためにここにいるのかを知りたがっているし、彼女のバックにいる宇宙人も早くそれを教えたがっているからね」
桂は心を読みすかされているような気がした。
確かに、リラックスとか心を開く、とかも大事なのだろうが、今日はそういうことに構わず、「ぶっとんだ」内容が出てくるかどうか…それに興味があったからだ。
「付き添い、ってことは中川さんはここにいていいのかな?高木さん」
松木が確認してきた。
「もちろんです、そのためについてきていただいたので」桂は裕美をちらりと見て言った。
自分だけではわからない不思議な世界を、裕美の知識でも解釈してほしいのだ。
「了解です。では、そろそろ始めましょう」松木は明かりを消し、キャンドルを一つ残して吹き消した。
桂は目を閉じ、裕美から教わった深い呼吸を取り始めた。

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    はじめまして!
    宇宙叙事詩の続き、首を長くして
    お待ちしてました(^0^)/

    更新されていて、どれだけ
    ワクワクしたか♪
    続きが気になります!

    これからの更新
    楽しみにしています!

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