3Jul
「チャネリングができる方や、クリスタルヒーラーはこういったパワーストーンから情報を得ることができます」
篠崎が桂に補足説明をしてくれた。
「チャネリングっていうのはわかりますか?」
桂がレムリアンシードを知らなかったことで、篠崎は桂がこういった世界についてまだ良く知らない、と判断したのだろう。桂にどこまで説明付きで言えば良いのか知りたがっているようだった。
「私、本当にこういう世界のことをよう知らなくて…ごめんなさい」
桂はなんだかいたたまれないような疎外感を感じ始めていた。
回りの3人は、もうこの世界に精通したスペシャリストなのだ。そんな中に素人で、まったく専門用語のわからない自分が紛れ込んでいる。彼らが知っている言葉をひとつひとつ説明してもらわないとわからないなんて、情けない以前に時間の無駄を痛感していた。
自分自身の時間もそうだが、彼らの時間も無駄に使っているような気になり、帰ったらネットで色々調べてみよう、と心に決めた。
「チャネリングというのは、3次元の体にありながら,意識を様々なものにフォーカスして情報を降ろすことなんです」
篠崎がわかりやすいか確認するように桂の反応を見ながら話を進める。
「フォーカスするものも色々です。僕はクリスタルヒーラーなので石にフォーカスすることが多いですし、ボディワーカーの方はクライアントの体に意識を合わせて情報を得ます」
「はぁ」
「高木さんが降ろしたこの内容は、僕が以前に参加したクリスタルの会で降ろした内容にすごく似ているんです」
そういうと、篠崎はもう一度スケッチブックを見た。
桂は、手持ち無沙汰に手に持っているレムリアンシードのバーコードをもう一度指でなぞってみた。
段々になっているかのように感じられる表面。それはざらざら、という感触ともつるつるという感触でもない。細い方から太い方へ、ゆっくりと指先を滑らせる。
そして…バーコードの終わりのあたりに指が触れたとき、「あれ」が起きた。
しかも、今回の「あれ」は、桂だけが体験したものではなく、篠崎も、裕美も、新庄も…視覚でそれを見たようだった。
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