宇宙系チャネラー ☆ルカ☆

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第一章 記憶の始まり6

 桂が吸い寄せられたボトルは、上がターコイズ、下がピンクのコンビネーションだった。うっとりと眺めていると、時間を忘れてしまいそうだった。どうしてこの二色は混じらないで綺麗に分かれているのかしら?桂はさらにボトルを凝視した。どうやら、素材が違うらしい。上の方が下方に比べ若干オイリーな印象だ。
この配色に見入っていると、なぜか波の音が聞こえてくるような気がした。
そういえば最近海に行っていなかったな、と思う。今はハイシーズンだから込んでるけど、夕方から海に行くのもいいかも。久しぶりに修二を誘って行ってみようか…ボトルの色を眺めながらとりとめのない思いが浮かんでくる。
「すみません、お待たせしました」後ろから声をかけられ、桂は現実に引き戻された。
「オーラソーマファシリテーターの酒井です、よろしくお願いします」
「高木と申します、お忙しいところ恐れ入ります」桂は酒井に頭を下げた。
このカフェの店長の姉、と言われると「ああ、なるほど」と納得がいく。顔かたちに多少の違いはあるが、全体的な雰囲気やスタイル、顔の造作など似ている。
「オーラソーマは初めてお聞きになりましたか?」
「はい、初めて聞きました。とてもキレイな色の組合せですね」
酒井はにっこりとほほえんだ。
「はい、この配色にも色々意味があって、このボトルは現在104本まであります」
「そんなに!すごいですね…これは日本製?どうしてキレイに色が別れているんですか?」
「オーラソーマはイギリスのカラーセラピーです。2色に別れているのは、水と油を使っているからなんですよ。」
「へぇ…このキレイな色は着色料とか使っているんですか?」
「ものによっては使われているものもありますが、アロマやクリスタルも使われているんです」
「へぇ…おもしろいですね」
桂は興味を持った。
そして、さきほど酒井が「配色に色々意味がある」と言っていたのを思い出した。
「あの、さっきから気になるボトルがあるんですが」
「はい、どれでしょうか?」
「これです」そういうと桂は、先ほどのボトルを指差した。
「あ、これは45番のブレス オブ ラブですね」
酒井はそういうと、棚を開けて45番のボトルを出し、桂の目の前に置いてくれた。
桂が無造作に手に取ろうとすると、酒井は手で制した。
「ボトルは持ち方があるんです。ガラス面を触ると、持った方のエネルギーが入ってしまうので左手で蓋の金属部分をつまんで持ってください」
「わかりました」
桂はそういって、左手でボトルの蓋部分をつまんだ。
目の高さにかかげてさらによく見ると、ターコイズの色が海のように見えてきて、心の奥の奥のほうでかすかに何かがざわついた気がした。だが、その色の美しさにみとれ,桂はそのざわつきを無視した。
「ブレスオブラブ…どんな意味があるんでしょう?」
「メイン的には「愛のギブアンドテイク」という意味があります。他にも色々詳しい意味はありますが、今お話しするとちょっと長くなってしまいます」
そういうと酒井は、「ちょっと失礼します」と言って、紙を手に戻ってきた。
「月に二回、木曜日にここでワークショップをやってるんです。ドリンク付きで5,000円なので、良かったら次回いらっしゃいませんか?」
紙を手渡され、桂はその紙に目を通した。
ワークショップのタイトルは「オーラソーマで知る本当の自分」で、ボトルとブレスワーク、と書いてあった。他には、ワークショップの日付と時間、講師である酒井の簡単な略歴が乗っている。
「ワークショップではおもにどういうことをするんですか?」
桂は紙から目を上げて聞いた。
「まず、今のご自身にぴんと来るボトルを1本選んでいただき、参加のみなさんでそれぞれのボトルを見ながら色や配色から受ける印象を話します。その後、私の誘導でボトルの色を深呼吸で体の中に取り入れる、というのをします」
「へぇ…おもしろそうですね」
桂は再びボトルを目の前に掲げた。ブレスワーク、ってどうやるんだろう?色を深呼吸で体の中に取り入れる?
桂は、知らないうちにボトルを見ながら深呼吸を始めていた。
そして、突然…「あれ」が起きた。
正しくは、今まで起きていた「あれ」以上のことが起きたのだ。

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